「ホリスティック薬膳」カテゴリーアーカイブ

春の養生と腸内フローラ~おなかにも花畑を。

春の養生と腸内フローラ~おなかにも花畑を。

―東洋医学からみた「芽吹きの季節」のととのえ方 ―

季節は春。草木が芽吹き、命がゆるやかに上昇しはじめる今、
私たちのからだも、自然と同じように「伸びやかになりたい」と動き始めています

けれど実は、春先にはこんなお悩みが増えてきます。

  • お腹の調子が不安定になる

  • 胃がムカムカしたり、便がゆるくなりやすい

  • 感情の浮き沈みが激しく、気持ちがザワザワする

これらの症状、東洋医学でいう「春の五臓=肝」と「腸内環境」が深く関わっています。


◇ 春は「肝(かん)」の季節

中医学では、春は「肝」が活性化する季節。
肝は、気の流れを調整し、感情と密接につながっています。

しかし、気温の変化や生活の切り替えでストレスがかかると、
肝の働きがスムーズでなくなり、「気滞(きたい)」という状態になります。

この“気の滞り”が、腸の動きにも影響してくるのです。

たとえば:

  • ストレス性の下痢や便秘

  • 消化器の不調・食欲不振・胃が重い すっきりしない

  • ガスがたまる、張る

そんなの不調には「ストレス」と「腸内フローラの乱れ」がからんでるかも…!?


◇ 腸内フローラを整えることは、心も整えること

腸は「第二の脳」とも言われるほど、感情と深くつながっています。
腸内フローラ(善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランス)が整っていると、気持ちもおだやかに、前向きに過ごすことができます。

特に春は、腸内の善玉菌が減りやすい季節。寒さからの解放で代謝が変わりやすいタイミングだからです。

だからこそ、春こそ「腸の土壌」をやさしく耕し、良い菌を育てていくことが、とても大切なのです。


◇ この春おすすめの養生法

✔ やさしい発酵食品を一日一品
(ぬか漬け、味噌汁、甘酒など)

✔ 酪酸菌や乳酸菌など、整腸作用のある菌を補う
(強ミヤリサン、新ビオフェルミンSプラスなど)

✔ 気を晴らす香りのハーブを活用する
(ミント、柚子などかんきつの香り)

✔ お腹をあたためる、やさしい腹式呼吸を毎日少しだけ。たった一度二度の「深呼吸」でもずいぶんちがいます!


◇ からだは自然そのもの。

私たちの心も体も、いま春に、のびのびとのびやかに「芽吹こう」としています。

春はデトックスと再生の季節。
腸内環境を整えることは、心の芽生えを育てることと同じです。

花が咲くように、
あなたのいのちのリズムも、健やかにひらいてゆきますように。

とも治療室では、東洋医学の視点から、
その人に合った胃腸と心のととのえ方を ていねいにご提案しています。お気軽にご相談ください。

★効率よく整えるなら錠剤を…。

ヨーグルトや飲料は、菌以外の様々なものが含まれているので、あまりお勧めしていません

ダイレクトにパワフルに整腸するには、やはり錠剤。生やしたいところに直接届くようコーティングなど工夫がこめられています。

食事だけでうまくいっている人は 格別 とらなくてもよいものですが、常備しておくと役立ちます。

風邪やけがなどで抗生物質を飲んだり、下痢した後で腸内細菌が打撃を受けた後に有効~

 

◆ 「腸に菌を補給する」

  • 腸内細菌が打撃を受けた後は、質の良い善玉菌を補給しましょう。

  • 抗生物質服用や下痢の後は、腸内の花畑は「荒れた畑」のようなもの。
     → 腸内フローラのバランスが崩れ、消化・吸収力もダウンし、免疫力も下がります。

  • だからこそ、体にやさしく、腸にしっかり届く“定評のあるよい菌”を補給して、土台を立て直すことが大切です。


回し者ではありませんが、患者さんに人気の整腸剤を商品名をあげておきますね

ミヤリサン(酪酸菌):腸の修復職人

  • **大腸に届いて働く「酪酸菌(宮入菌)」**が主成分。

  • 酪酸菌は、荒れた腸の粘膜をじっくり修復し、腸の元気を取り戻します。

  • 抗生物質の影響で腸内環境が乱れたときにも有効

  • 胃酸に強く、しっかり腸まで届く設計

→ まるで、荒れた腸の中に「善玉菌が安心して住めるお家を建てる」ような役割です。


◆ 新ビオフェルミンSプラス:善玉菌のチームワーク

  • 4種の乳酸菌・ビフィズス菌をバランスよく配合。
     → 小腸〜大腸まで、腸のすみずみに善玉菌を補給

  • ビフィズス菌は便を柔らかく整える作用もあり、下痢後の便通の安定にも◎。

  • 子どもから高齢の方まで使える、ロングセラーの市販整腸剤

→ まるで、「整った畑に、よい種をまいて、植物を育てる」ようなイメージです。


◆ ふたつを組み合わせると最強かも?

  • ミヤリサンで【腸の環境(土壌)を整える】

  • 新ビオフェルミンSプラスで【善玉菌をたっぷり補給】

→ つまり、荒れた腸を回復させる“修復と再生”のコンビです。

★おまけ情報~免疫に寄与する乳酸菌

整腸だけではなく、免疫の仕組みに直接アプローチする新しい乳酸菌も注目。(プラスアルファとして)


プラズマ乳酸菌とは?

  • 正式名称:Lactococcus lactis strain Plasma(ラクトコッカス ラクティス プラズマ)

  • 開発:キリン+小岩井乳業(協働研究)

  • 特徴:腸ではなく“免疫細胞”に働きかけるユニークな乳酸菌

◆ こんなときにおすすめ

  • 「下痢はおさまったけど、体がまだ本調子じゃない」

  • 「腸が弱い自覚があり、免疫力も落ちやすい」

  • 「花粉やウイルスに反応しやすい体質」

定着するためには時間がかかります。どんどん流れ出ていき、結局は、自分のおなかに適合したものが、育っていきます。
自分だけのだいじな「お花畑」を気長に育てていきましょう

胃腸の調子が悪い時は…

ご飯を美味しく食べる、は人生のだいご味の一つ。胃腸不調が長く続くとけっこうつらいものです。

東洋医学的にも一般的にも養生ポイントをまとめてみました。

胃腸不調=東洋医学的には 

胃腸の不調が続くとき、東洋医学では 「気・血・水」のバランスの乱れ五臓の働き に注目します。
もしかすると、こんな状態が影響しているのかもしれません。


脾胃の虚弱(ひいのきょじゃく)
 → 胃腸がもともと弱い、または疲れがたまって消化力が落ちている状態。
 → 油っこいものや冷たいもの、過食が負担になりやすい。

肝気犯胃(かんきはんい)
 → ストレスが胃腸に影響し、消化の働きを乱している。
 → 胃もたれや張り、げっぷが出やすい。

湿熱(しつねつ)がこもっている
 → 胃腸に余分な湿気や熱がたまり、食べたものをうまく処理できない状態。
 → 油っこいもの、甘いもの、アルコールで悪化しやすい。

寒邪(かんじゃ)の影響
 → 冷たいものの摂りすぎや、冷えによって胃腸の働きが鈍っている。
 → お腹を温めると調子がよくなることが多い。


肥疳厚膩過食(ひかんこうじかしょく)

胃腸の不調が続くとき、特に 「食べるもの」や「食べ方」 が影響していることがあります。東洋医学では、 「肥疳厚膩(ひかんこうじ)過食」 という考え方があります


「肥疳(ひかん)」 → 油っこいものや甘いもの
「厚膩(こうじ)」 → 濃厚で脂っこい食べもの
「過食(かしょく)」 → 食べすぎや消化しきれないものを摂ることで、消化機能が乱れる

特に、油っこい食事・甘いもの・味が濃いもの・加工食品/添加物が多く含まれる食品を摂りすぎると、胃腸に「湿(しつ)」や「熱(ねつ)」がこもりやすくなり、消化の力が弱まる とされ、以下のような症状が出ます


こんな症状があるかも

・胃もたれしやすい
・油っこいものを食べると気持ち悪くなる
・下痢や便秘を繰り返す
・口の中が粘つく、口臭が気になる
・舌に厚い白い苔がつく(※色はいろんなバージョンあり)


胃腸の調子が悪いときに、ちょっと気をつけるといいこと 

胃腸が疲れているときは、無理をせず、やさしく整えていくのが大切です。「これをやめなきゃ!」と気負うよりも、「ちょっと気をつけてみようかな」 くらいの気持ちで、できることから試してみてください。


避けたほうがいい食べもの

油っこいもの(揚げ物、こってりした料理)
→ 胃に負担がかかりやすく、消化に時間がかかります。

刺激の強いもの(辛いもの、酸味の強いもの、味が濃いもの)
→ 胃の粘膜を刺激しやすいので、調子が整うまでは様子を見ましょう。

冷たい飲みもの・食べもの(氷入りの飲み物、生野菜、アイスなど)
→ 胃腸の動きを弱めることがあるので、できるだけ常温や温かいものを選ぶと◎。

アルコールやカフェイン(お酒、コーヒー、エナジードリンクなど)
→ 胃酸が増えたり、胃を荒らすことがあるので、控えめにすると安心です。

甘いもの、加工食品(ケーキ、スナック菓子、カップラーメンなど)
→ 胃腸の負担になりやすいので、少しずつ控えてみるのもよいかもしれません。


ちょっと気をつけるといい習慣

夜遅くの食事を控える(寝る2時間前までに済ませるのが理想)
→ 胃腸がしっかり休める時間を作ると、消化がスムーズになります。

よく噛んで食べる・ゆっくり食べる・味わって食べる
→ 消化酵素がよく出るうえ、胃の負担を減らし、消化を助けてくれます。

食べすぎを避ける(「腹八分目」を意識)
→ 胃腸に余裕をもたせることで、回復しやすくなります。

ストレスをためすぎない(リラックスする時間を大切に)
→ 胃腸は気持ちとつながっています。深呼吸や好きなことをする時間も大事です。

温かいものをとる(スープ、おかゆ、ハーブティーなど)
→ 胃腸がほっとする食べ方を意識すると、自然と調子が整ってきます。


無理せず、できることから ゆっくりで大丈夫 

「全部守らなきゃ!」と思うと、かえってストレスになってしまうこともあります。
だからこそ、「今できることをちょっとだけ」 の気持ちで取り組んでみてください。

身体はちゃんと、自分に合うペースで回復しようとしています。
焦らず、やさしく、身体と対話しながら過ごしてみましょう。

気をつけておきたいサイン 

胃腸の不調は、たいていの場合は少しずつ整えていけば良くなるものですが、なかには「病院へGO!」サインもあります。次のような症状があるときは、早めに病院で相談してみてください。

受診を考えたほうがいい症状

体重がどんどん減る(制限していないのに減る)
→ 体が栄養をうまく吸収できていない可能性があります。

便の色が黒っぽい(タール状) or 血が混じっている等
→ 胃や腸のどこかで出血しているサインかもしれません。そのほか 粘液状など、様子のおかしい便

ずっと続く強い腹痛(特に夜間や食後すぐ)
→ 胃や腸、胆のうなどに炎症が起きている可能性も。

発熱を伴う腹痛や下痢
→ 体が感染症や炎症と戦っているかもしれません。

嘔吐。 特に色がおかしい嘔吐
→ 血液や、コーヒー色の嘔吐は胃や食道からの出血が疑われることがあります。

皮膚や白目が黄色くなった(黄疸)
→ 肝臓や胆のうのトラブルが隠れているかもしれません。

🌿 我慢強い人こそ、気をつけて 🌿

つい自分のことを後回しにしてしまう人は、ちょっと注意が必要です。

もし、あなたの大切な家族や友人が同じ不調を抱えていたら、どうしますか? 「病院に行ったほうがいいよ!」とすすめるのではないでしょうか? ぜひその気持ちを、自分にも向けてみてください。

無理ない範囲で 焦らずゆっくりで大丈夫ですので。無理なく、心地よく、「養いながら」生きていきましょう。
ここに書いたことはただのヒントです。実際には、とも治療室では 患者さんお一人お一人の体質、症状、生活、考え方などににあわせて 個別にお手伝いしています。

春分です。この時期のリセットに、おススメの薬草茶 

春分です。

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春分を迎えました。

昼と夜の長さがほぼ同じこの日は、 西洋占星術では「空の元旦」とも呼ばれる大切な節目。

春分

太陽が真東から昇り、真西へと沈むこの時、 古来より 極楽浄土に最も近づく日 とされてきました。

お彼岸のお墓参りの風習も、 この時期に生まれたと言われています。

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新しいスタートのとき

一年の計は元旦にあり、と言いますが、 春分もまた 新しいスタートのタイミング

今日からの自分、今日からの一年を、 少しだけ考える時間を持ってみませんか?

年度替わりや生活の変化が多いこの時期は、 心身のバランスを崩しやすいもの。

そんな時こそ、 意識的にリセットの時間を取り、落ち着くことが大切です。

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春分の養生におすすめの薬草茶

リセットの時間には、 温かい飲み物 がぴったりです。

今の季節におすすめなのは、 以下の ハーブや薬草を使ったブレンドティー

  • 菊花 :目の疲れや気の巡りをよくする
  • ミント :すっきりとした清涼感でリフレッシュ
  • カモミール :リラックスを促し、安眠を助ける
  • 薔薇のつぼみや花びら :気分を華やかに整え、女性のバランスをサポート
  • ローズヒップ(酸味が強いので少量) :ビタミンC豊富で免疫サポート
  • クコの実 :滋養強壮、目の疲れにも
  • ナツメ :心身を落ち着かせ、エネルギーを補う

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直感で選ぶ、あなたのブレンド

これらのハーブを、 自分の直感に従ってミックス してみてください。

お気に入りのブレンドを探すのも、楽しい時間です。

また、 色合いの美しいハーブティー は、 ガラスの器で楽しむのもおすすめ。

 

見た目の美しさもまた、心の安らぎにつながります。

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心も体もほっこりと

ゆったりとした時間を作り、 心身をほっこりと温めながら、 新しい一年の流れを整えていきましょう。

春分のこの日が、 あなたにとって 穏やかで、優しさに満ちた一日 となりますように。

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参考文献リスト

薬膳を知りたい方へ、こんな参考文献があります。(中医学、東洋医学、薬膳、はたいへん奥が深く、歴史も長く、したがって諸説あります。どの本も、自分の体を観察しながら活用ください。)

大人世代の漢方入門(オススメ!)

早乙女 孝子 の いつもの食材効能&レシピ帖―漢方の知恵を毎日の食卓に 食材338点レシピ151点
いつもの食材 効能&レシピ帖 | 早乙女孝子 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon

武鈴子著、からだに効く和の薬膳便利帳、一般社団法人家の光協会(2012)

高橋楊子ら著、体質・症状・年齢別東洋医学で食養生

 

春のホリスティック薬膳のヒント。香りと酸味、少しの苦みをうまく使いましょう。

images春のホリスティック薬膳のかなめは、香りのよい食材を取り入れて、気をしっかり巡らせ、循環をよくすること。

みかん、柚子、レモンなどのかんきつ類。その皮。

ウド,三つ葉,春菊,フキノトウなど香り高く少し苦い山菜,など。

中医学では、は「肝」の季節

酸味はストレスと関係ある「肝」(東洋医学的な働きを指す。肝臓そのものではありません)のはたらきを整える力があるので、香りと酸味を供えるかんきつ類などはとてもおすすめです。

春のお花を部屋に飾るのもよいですね。

もう一つ、陽気が強まってくるときには、あらかじめ陰を補っておくことも大切です。陰とは身体にとっての滋養のようなイメージです。

陰を補う食材は、アサリ,イカ,カニ,クコの実,クラゲ,ほうれん草,牡蠣,貝柱,鶏肉,鶏卵,黒キクラゲ,黒豆,山芋,小麦,松の実,豆乳,豚肉,白キクラゲ,百合根,蜂蜜
などです。

その意味でも、もう少し温度が上がってきたら、ふきやたらの芽といった苦みのある山菜類をふやすのもよいでしょう。

苦みは余分な熱を冷ましてくれます

苦みは余分な熱を冷ましてくれます。上半身に熱症状(目のかゆみ、顔のほてり、めまいなど)があるときはよいです。

ただし、多種類をまんべんなく

★ただし、多種類をまんべんなく食べるという食養生の基本はお守りください。よさげだからとばっかり食べは逆効果です。バランスが一番大事!

例えば春、ストレスが高じたり筋肉疲労が起きると酸味がいつもよりおいしく感じたりします。

その酸味、適量ならよいですが、食べすぎると、酸味の収斂作用がおき、かえってストレスや疲労を発散できなくなってしまいます。

甘み(ゆるませる)と酸味(締める)二つの味を持つ果物がよいのは、そのためです。

おいしいからといって食べすぎは重々NG。

衝動にまかせず、理性でコントロール、自分の体に合うかどうかはヨーク観察しながら、体の声を聴いて養生してくださいね。

とも治療室では個別指導しています。

鏡開き で 飲む点滴を。

正月にお供えしていた鏡餅。どうしていますか?

今日は鏡開きの日。鏡開きとは 切るという言葉を嫌って、刃物を使わずに木槌で割ったところ、縁起をかつぎ「割る」ではなく「開く」になったのが語源です。

お餅、たくさんあってもてあましている?
ひび割れていたり、なんだかあまり、手が伸びない?

そんなときは、甘酒にしてしまいましょう、

麹の量は、餅の重量と同じくらい。水は餅と同じ重量を用意します

作り方

餅を水に入れ、ゆーっくりふやかしたのち、おかゆのようにゆっくりと火を通します、
どろっと餅がとろけたら、60度まで冷ましてから、米麹を入れ、よく混ぜます。

保温は60度で8時間ほど。
(炊飯器を使う場合は、保温モードで蓋を開け、濡れ布巾をかけて同じ時間・同じ温度で保温する。

餅から作った甘酒のおいしさにきっと驚くと思います

7日の朝は、七草がゆをぜひ。

七草七草がゆは、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(かぶら)、すずしろ(大根)という七草のお粥を食べて無病息災を願う、祈りの行事です。

 

ならわしとしては前日の1月6日の夜に用意した七草を刻み、7日の朝に炊いたお粥の中に入れて朝食でいただきます。

おかゆは、どんなつくり方でもOK。残りごはんを煮る雑炊式で十分です。

吉本ばななさんのお姉さまの作り方

『開店休業』吉本 隆明 , ハルノ宵子 (著) で紹介されていた吉本家のレシピがとてもおいしそうだったのです。

詳しくは著書を読んでいただくとして、ざっとポイントを紹介します。こういうものは、直観で作ってよいのです。お菓子のように精密に組み立てる必要がないので。

1)野菜は前もってよく刻んでおき、多めの塩でもんでおいておく

2)おかゆには餅が入る

3)炊き上がったおかゆに、塩もみ野菜をよくしぼってちらす。

野菜が半生なので色も香りも格別です。お餅をいれることで、祭り食としてグレードアップ!

おもちは、古来から、特別なお供え物として 邪気をはらう役目がありました。小正月(陰暦の1月15日)までお粥に入れるおもちは「かゆ柱」と呼ばれ、無病息災にかかせなかったのです。

塩もみに時間が足りなければ塩を多めにすればOKです。ぜひお試しください。

 

七草囃子も

七草を刻むときに歌われる歌があります。
「七草なずな 唐土(とうど)の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に …」
歌うならわしもありました。貴重な音源はこちらをどうぞ。各地によって 歌はさまざま。

唐土の鳥が、日本の島に(歳時歌)鳥取市青谷町北河原
昭和56年(1931)8月24日、鳥取市青谷町北河原で採集

https://www.pref.tottori.lg.jp/265939.htm

薬膳ってなあに。…薬食同源です。

images「薬膳」は、中国古来の知恵、食養生のことです。中国(中医学)では薬食同源(やくしょくどうげん)という考え方があり、食養生もお薬と同じくらい大切にされています。

「薬膳ってなに・・・? 高麗人参スープ、生薬で煮込んだ塊肉? 」苦くておいしくなさそうな料理が頭に浮かぶのではないでしょうか。

薬膳レストランのメニューにはずらっとそういうものが並んでいます。

でも、本来の薬膳は・・・

本来の薬膳は極端でなく一見普通の食事

本来の薬膳は、日々の食事にとりいれられてしかるべきもの。

地産池消、地元の食材をできるだけ使い、シンプルで取り入れやすい食べやすいなじんだもの。極端でなく一見普通の食事が、あるべき姿です。日本人が食べる食事なのですから。(といっても、昭和な日本食)

本来、薬膳には中医学というムツカシイ理論が基礎にあります。

体質や気質をみきわめる「見立て」があって はじめて薬膳は効果があります。

 患者さんに食事指導をするときには、体質や気質、今の季節、仕事の種類などに合わせて、慎重に行っています。

 とにかく、個別対応! そこが大事。

不老長寿の霊薬、高麗人参だって、夏に、暑がりで疲れやすい人が食べたら、逆効果になります。流行りのいろんな食事スタイル・・マクロビ、スムージー、低糖質ダイエットだって、体質気質季節に合わなければ、かえって新たな不調を作るのです。

極端な食事スタイルは、危険です。

日本の風土に合った季節の食材を使った昭和っぽい地味な食事なら、ほとんど危険がありません。

一般の方が自力で食養生をするには、食材一つだけにこだわったり、極端な食事法にかたよるよりは、ざっくりと「基本の食べ方」を身に着けるほうが、ずっとコスパがいいのです。

本当の、ホントのこと。

食事にどれだけエネルギーを注げるか、は、生き方そのもの、ひとそれぞれ。日々、なにかを食べるだけで精いっぱい、から、薬膳を勉強したり資格を目指したりまで。

どなたにも共通する、食べ方の基本は、目の前にある「しょくもつ」への心からの感謝から。そして、「今 ここにあるたべもの、が、わたし、になるんだ…」という本質的な喜びを。ひとくちずつに感じていただければなあと、ねがいます。

明日は中秋の名月。ことほぎを里芋で。

9月の満月、その前夜の月は、「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」。一年で一番清らかで美しい、と愛でられてきた月です。
晴れても、晴れていなくても 今夜は、月を想ってみませんか。

和菓子店では、それぞれ、意を凝らした月のお菓子を作っておられます。
重ねられる月見団子なんて風流!

月見団子は食べきれない・・・なんて方は白くて丸いものを食べましょう。

特におすすめは 里芋。日本人が縄文時代から長く食べてきた大事な植物です。

里芋を入れたお料理も素敵です。

丸いかたちをいかした煮物や、みそ汁に輪切りするなど、ぜひ気軽に。

ゲンノショウコは土用の丑の日に。

ゲンノショウコは土用の丑の日に。2024年は 7月24日(水)と8月5日(月)です。

和の薬草、ゲンノショウコ

「日本三大民間薬」

「ゲンノショウコ」は「ドクダミ」「センブリ」とならんで、代表的な日本の薬草「日本三大民間薬」です。
「医者いらず」「たちまち草」ともいい、煎じて飲めばすぐに下痢が止まることから、「現の証拠」とか「験の証拠」という和名がつきました。
一般的な使い方は薬草茶。
干して、お茶にして飲みます。煮だすか、さっと出すかはお好みで。
下痢どめのほか、便秘にも役立ちます。慢性的に胃腸の不調がある人は 常用を試す価値があります。実感するには少し時間をかけて飲み続けるとよいでしょう。

ゲンノショウコは、土用の丑の日に

最も効果が高くなるとのいいつたえがあります。
そのころちょうど、花の咲くのですが、実際に花の時期には、有効成分「タンニン」が増えます。
作用としては・・・
ゲンノショウコ、整腸、鎮痛、冷え性対策のほか、肌にもよく、湿疹改善や美白など、「美肌」効果もしられています。

中国医学では、腸と肌は裏表の関係。

そう思うと納得です。