「薬膳」は、中国古来の知恵、食養生のことです。中国(中医学)では薬食同源(やくしょくどうげん)という考え方があり、食養生もお薬と同じくらい大切にされています。
「薬膳ってなに・・・? 高麗人参スープ、生薬で煮込んだ塊肉? 」苦くておいしくなさそうな料理が頭に浮かぶのではないでしょうか。
薬膳レストランのメニューにはずらっとそういうものが並んでいます。
でも、本来の薬膳は・・・
本来の薬膳は極端でなく一見普通の食事
本来の薬膳は、日々の食事にとりいれられてしかるべきもの。
地産池消、地元の食材をできるだけ使い、シンプルで取り入れやすい食べやすいなじんだもの。極端でなく一見普通の食事が、あるべき姿です。日本人が食べる食事なのですから。(といっても、昭和な日本食)
本来、薬膳には中医学というムツカシイ理論が基礎にあります。
体質や気質をみきわめる「見立て」があって はじめて薬膳は効果があります。
患者さんに食事指導をするときには、体質や気質、今の季節、仕事の種類などに合わせて、慎重に行っています。
とにかく、個別対応! そこが大事。
不老長寿の霊薬、高麗人参だって、夏に、暑がりで疲れやすい人が食べたら、逆効果になります。流行りのいろんな食事スタイル・・マクロビ、スムージー、低糖質ダイエットだって、体質気質季節に合わなければ、かえって新たな不調を作るのです。
極端な食事スタイルは、危険です。
日本の風土に合った季節の食材を使った昭和っぽい地味な食事なら、ほとんど危険がありません。
一般の方が自力で食養生をするには、食材一つだけにこだわったり、極端な食事法にかたよるよりは、ざっくりと「基本の食べ方」を身に着けるほうが、ずっとコスパがいいのです。
本当の、ホントのこと。
食事にどれだけエネルギーを注げるか、は、生き方そのもの、ひとそれぞれ。日々、なにかを食べるだけで精いっぱい、から、薬膳を勉強したり資格を目指したりまで。
どなたにも共通する、食べ方の基本は、目の前にある「しょくもつ」への心からの感謝から。そして、「今 ここにあるたべもの、が、わたし、になるんだ…」という本質的な喜びを。ひとくちずつに感じていただければなあと、ねがいます。