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春分です。この時期のリセットに、おススメの薬草茶 

春分です。

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春分を迎えました。

昼と夜の長さがほぼ同じこの日は、 西洋占星術では「空の元旦」とも呼ばれる大切な節目。

春分

太陽が真東から昇り、真西へと沈むこの時、 古来より 極楽浄土に最も近づく日 とされてきました。

お彼岸のお墓参りの風習も、 この時期に生まれたと言われています。

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新しいスタートのとき

一年の計は元旦にあり、と言いますが、 春分もまた 新しいスタートのタイミング

今日からの自分、今日からの一年を、 少しだけ考える時間を持ってみませんか?

年度替わりや生活の変化が多いこの時期は、 心身のバランスを崩しやすいもの。

そんな時こそ、 意識的にリセットの時間を取り、落ち着くことが大切です。

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春分の養生におすすめの薬草茶

リセットの時間には、 温かい飲み物 がぴったりです。

今の季節におすすめなのは、 以下の ハーブや薬草を使ったブレンドティー

  • 菊花 :目の疲れや気の巡りをよくする
  • ミント :すっきりとした清涼感でリフレッシュ
  • カモミール :リラックスを促し、安眠を助ける
  • 薔薇のつぼみや花びら :気分を華やかに整え、女性のバランスをサポート
  • ローズヒップ(酸味が強いので少量) :ビタミンC豊富で免疫サポート
  • クコの実 :滋養強壮、目の疲れにも
  • ナツメ :心身を落ち着かせ、エネルギーを補う

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直感で選ぶ、あなたのブレンド

これらのハーブを、 自分の直感に従ってミックス してみてください。

お気に入りのブレンドを探すのも、楽しい時間です。

また、 色合いの美しいハーブティー は、 ガラスの器で楽しむのもおすすめ。

 

見た目の美しさもまた、心の安らぎにつながります。

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心も体もほっこりと

ゆったりとした時間を作り、 心身をほっこりと温めながら、 新しい一年の流れを整えていきましょう。

春分のこの日が、 あなたにとって 穏やかで、優しさに満ちた一日 となりますように。

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参考文献リスト

薬膳を知りたい方へ、こんな参考文献があります。(中医学、東洋医学、薬膳、はたいへん奥が深く、歴史も長く、したがって諸説あります。どの本も、自分の体を観察しながら活用ください。)

大人世代の漢方入門(オススメ!)

早乙女 孝子 の いつもの食材効能&レシピ帖―漢方の知恵を毎日の食卓に 食材338点レシピ151点
いつもの食材 効能&レシピ帖 | 早乙女孝子 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon

武鈴子著、からだに効く和の薬膳便利帳、一般社団法人家の光協会(2012)

高橋楊子ら著、体質・症状・年齢別東洋医学で食養生

 

春のホリスティック薬膳のヒント。香りと酸味、少しの苦みをうまく使いましょう。

images春のホリスティック薬膳のかなめは、香りのよい食材を取り入れて、気をしっかり巡らせ、循環をよくすること。

みかん、柚子、レモンなどのかんきつ類。その皮。

ウド,三つ葉,春菊,フキノトウなど香り高く少し苦い山菜,など。

中医学では、は「肝」の季節

酸味はストレスと関係ある「肝」(東洋医学的な働きを指す。肝臓そのものではありません)のはたらきを整える力があるので、香りと酸味を供えるかんきつ類などはとてもおすすめです。

春のお花を部屋に飾るのもよいですね。

もう一つ、陽気が強まってくるときには、あらかじめ陰を補っておくことも大切です。陰とは身体にとっての滋養のようなイメージです。

陰を補う食材は、アサリ,イカ,カニ,クコの実,クラゲ,ほうれん草,牡蠣,貝柱,鶏肉,鶏卵,黒キクラゲ,黒豆,山芋,小麦,松の実,豆乳,豚肉,白キクラゲ,百合根,蜂蜜
などです。

その意味でも、もう少し温度が上がってきたら、ふきやたらの芽といった苦みのある山菜類をふやすのもよいでしょう。

苦みは余分な熱を冷ましてくれます

苦みは余分な熱を冷ましてくれます。上半身に熱症状(目のかゆみ、顔のほてり、めまいなど)があるときはよいです。

ただし、多種類をまんべんなく

★ただし、多種類をまんべんなく食べるという食養生の基本はお守りください。よさげだからとばっかり食べは逆効果です。バランスが一番大事!

例えば春、ストレスが高じたり筋肉疲労が起きると酸味がいつもよりおいしく感じたりします。

その酸味、適量ならよいですが、食べすぎると、酸味の収斂作用がおき、かえってストレスや疲労を発散できなくなってしまいます。

甘み(ゆるませる)と酸味(締める)二つの味を持つ果物がよいのは、そのためです。

おいしいからといって食べすぎは重々NG。

衝動にまかせず、理性でコントロール、自分の体に合うかどうかはヨーク観察しながら、体の声を聴いて養生してくださいね。

とも治療室では個別指導しています。

秋のホリスティック薬膳。

秋のからだをやさしく整える薬膳の知恵|潤いを補い、余分な湿をさばく

空の色、風のにおいが少しずつ秋めいてきました。季節が深まる前に「肺」をいたわり、夏に消耗した気と潤いを補っておくと、その後がぐっと楽になります。

秋は「肺」をいたわる季節

東洋医学でいう「肺」は、うるおいを好み、乾燥を嫌います。乾きが強いと、空咳・痰が少ない咳・喉や皮膚の乾燥・息切れ・胸苦しさなどが出やすく、感情面では物悲しさや寂しさが募ることも。
中秋〜晩秋にかけては、からだに「きれいな潤い」を増やすことが要点です。

潤いを補う食材(肺をうるおす)

梨/りんご/ぶどう/柿/れんこん/白きくらげ/百合根(ゆりね)/豆腐/はちみつ/ねぎの白い部分/春菊(適量)など。
とくに梨×れんこんは咽喉の乾燥に頼れる組み合わせです。

かんたん実践メモ

  • 梨のコンポート(常温〜ぬるめ):砂糖少々+生姜ひとかけで温性を足す。
  • れんこんのすり流し汁:だし+味噌でととのえ、仕上げにすりおろしを加える。
  • 白きくらげと梨の煮もの:はちみつ少量で潤いを高める(冷やしすぎない)。

残暑の熱をおさえつつ、賢く水分補給

がぶ飲みは消化器に負担。ノンカフェインの温かい飲み物を少しずつ、また「食材の水分」を活かします。
しじみや豆腐、根菜たっぷりの味噌汁は、潤いとミネラルを同時に補ってくれます。

余分な湿(湿邪)をさばく

日本の秋口は高温多湿で、体内に濁った水が溜まりやすい時季。むくみ・だるさ・食欲低下・頭重感はサインです。次の食材で水の巡りを整えましょう。

はとむぎ/枝豆/緑豆もやし/とうもろこし(ひげも可)/冬瓜/なす/しょうが など。

かんたん実践メモ

  • はとむぎ入りご飯:白米に混ぜて炊く(食べすぎ注意)。
  • 冬瓜としょうがの澄まし:やさしい塩味で、水はけと温性を両立。
  • 枝豆の塩ゆで:ミネラル補給+余分な湿をさばく軽食に。

酸味で「収斂」し、エネルギーをとどめる

酸味には「収斂(しゅうれん)」作用があり、散りがちな気と水分を引きしめます。
栗/さつまいも/里いも/雑穀や新米などの穀類を、酸味(酢のもの・柑橘・梅・ぶどう・りんご)と合わせ、冬に向けて栄養を蓄えましょう。

  • さつまいもとりんごの重ね煮:少量の塩で甘みを引き出し、仕上げに酢をひとたらし。
  • 栗入り雑穀ご飯:噛むほどに気が満ち、体が温まります。

旬の魚で「気」を養う

サバやサンマなどの青魚は、気を補い、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸が豊富。
焼き魚に大根おろし+酢を添えると、消化を助けつつ収斂をプラスできます。

今週の買い物メモ(秋の養生)

  • 潤い:梨/ぶどう/柿/れんこん/白きくらげ/百合根/豆腐/はちみつ/ねぎ白/春菊
  • 湿をさばく:はとむぎ/枝豆/緑豆もやし/とうもろこし/冬瓜/しょうが/なす
  • 収斂+栄養:栗/さつまいも/里いも/雑穀(もち麦・押し麦など)/梅干し・米酢・柑橘
  • 気を養う:サバ/サンマ(大根・酢・柑橘を添える)

参考文献

中医学・薬膳は流派により所説があり、体質や季節、生活環境に応じた運用が大切です。ネット断片ではなく、手元に一冊置いて身体感覚で育てるのがおすすめです。


早乙女 孝子 の いつもの食材効能&レシピ帖―漢方の知恵を毎日の食卓に 食材338点レシピ151点

仙頭正四郎監修、現代の食卓に生かす「食物性味表]、日本中医食養学会(2006)

体調や服薬中の方は、個別にご相談ください。とも治療室では、体質と季節に合わせた養生のご提案と、はり灸アロマ治療で「潤い」と「巡り」を整えます。