春は、風の季節です。
外に吹く風は身体にも影響を及ぼします。
身体に悪い影響を与えるその外部要因を、「風邪」(ふうじゃ)と呼びます。
これが人体に影響すると、いわゆるカゼ以外にも、花粉症、皮膚や粘膜のかゆみ、体表感覚異常(むずむず等)、身体痛、頭痛、めまい、脱力感などが現れます。また、もともと血が足りない人や、肝や胆が弱い人は 特にこの風邪の影響を受けやすいので、今の時期は注意が必要です。
春におこりやすいイライラ、不安、頭に血が上りやすい、めまい、肌トラブル、出ては消える様な変化する痛みなどというのは、この風邪の影響によるものといえます。
風邪の特徴は、「突然起こる」、「体の上の方に症状が現れやすい」、「変化しやすい」など。先ほどのめまい、イライラ、血が上りやすい、皮膚トラブル、出ては消える痛みなどというのもこの特徴に当てはまりますね。
風邪の影響を受けやすい臓腑は「肝」。肝は感情では「怒」とつながりがありますので、これまたイライラ、カーッとなるといった症状が出やすくなる季節というのを裏付けます。中医学での「肝」は西洋医学で考える肝臓としての機能、解毒や血や糖の貯蔵の他、自律神経の調整もしています。
春はこの肝が影響を受けやすい季節なので、ストレスなどによる自律神経のアンバランスを引き起こしやすい季節です。
小さな自然である人間は、大きな自然の影響を受け、四季が変化するように、刻一刻と変化し続けています。万物は常に流転しており、変わらないものなどありません。そして、変わることで変化に適応できているのです。
小さな症状のうちに、自分の体の声を聴き、東洋医学でバランスを取るのが、今現在の生活の質を上げること、そして未来の幸せを維持することにつながります。
気候変化に備え、健康な体を維持しましょう。