「治療」という言葉を、薬や手術のことだと思っていませんか?
現代では、そう感じている方も少なくないかもしれません。
けれど 本来、「治療」とはもっと広く、深く、
いのちの全体に向き合う営みを指す言葉のようにおもうのです。
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■ 「治療」という言葉の語源
「治療(ちりょう)」という漢字には、こんな意味があります。
・治(ち) … 乱れをおさめ、整えること
例:治水・自治・政治など。秩序を取り戻す、整えるという意味です。
・療(りょう) … 手をかけて癒すこと
いたわり、寄り添い、からだと心に働きかけること。
つまり「治療」とは、
乱れた状態を整え、丁寧に「手当て」し、癒されていくためのお手伝い。
「症状をとること」だけでは終わらない。
乱れをおさめ、整えることで おのずと、
人のいのちが 本来の輝きへ戻っていく……
そんな自然の営みなのだと感じるのです。
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■ 鍼灸治療は「本来の治療」のかたち
とも治療室では、
この「治療」の原点に立ち返り、
鍼灸や東洋医学の知恵を通じて、いのちを調える場をそっとたいせつにしています。
・部分ではなく、ひとそのもの、全体と
人生やご自身の物語などの背景の流れまでも みていくこと
・ひとりひとりのタイミングとリズムを尊重すること
・ご自身本来の自然治癒力に ただ、寄り添うこと
それが、私が大切にしている「治療」のあり方のひとつです。
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■ いのちを調え、祈るように「手をあてる」
「治療」という言葉には、
深い歴史と、人間へのまなざし、いのちへの祈りが宿っていると感じます。
とも治療室では、
その本来の意味を忘れずに、
出会う場を、たいせつにしています。