中国医学、東洋医学では、更年期を、妊娠可能な成熟期から老年期への移行期と定義しています。西洋医学と同じです。
2000年前に書かれた『素間・上古天真論』の中で、女性の生長発育を7歳単位で7周期で区切っていく考え方があります。
「7歳で歯が抜け変わり、14歳で天癸が至り、任脈通じ、太衝脈が盛んになり、月経が始まり、妊娠可能となる」。この「天癸」は、今でいう女性ホルモンに近い働きをしています。
こんな古い時代に、すでに、女性ホルモンのような概念があるのです。
あえて原文を載せておきます。中国医学最古の医古典を、どうよむか、「読む人の考え方」によりことなってきます。
もともとは句読点もありません。
その当時その言葉がどう使われてきたかも諸説あり。あれこれと異説があるのは当たり前…、何となく ふふーん、という感じ程度でどうぞ。ちなみに掛け算です。2×7=14歳。
女性にとって5×7あたりから、衰えが始まると明記されています。臨床でも30代後半に何かしら変化があるのをよく拝見しています。30代からはもう「養いながら生きる」が必須でしょう。現代日本人の「その後」は人類史上初の長丁場ですからね。
東洋医学をうまく使って この長丁場、じぶんらしく、いきいきと生きていただきたい、と願います。
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岐伯曰。 女子七歳、腎氣盛、齒更髮長。 二七、而天癸至、任脈通、太衝脈盛、月事以時下、故有子。 三七、腎氣平均、故真牙生而長極。 四七、筋骨堅、髮長極、身體盛壯。 五七、陽明脈衰、面始焦、髮始墮。 六七、三陽脈衰於上、面皆焦、髮始白。 七七、任脈虚、太衝脈衰少、天癸竭、地道不通、故形壞而無子也。