「貝原益軒」タグアーカイブ

貝原益軒、養生訓の導引法

江戸時代の健康体操「導引」

図は、馬王堆の埋葬品から発見された、紀元前168年の頃の導引圖から。
図は、馬王堆の埋葬品から発見された、紀元前168年の頃の導引圖から。

養生訓(ようじょうくん)は現代でも読者の多い、健康生活実用書。
江戸時代前期、福岡・黒田藩の儒学学者、”貝原益軒(かいばらえっけん)”(1630~1714)が著しました。

貝原益軒は、その時代としては超長生き(享年85歳)で、しかも多くの著作は、藩の任務を引退した晩年のもの。ベストセラー養生訓も亡くなる1年前の著作です。

まさに養生の鏡というべき「私は84歳の今でもこんなに元気!」の秘訣を集約した実践書。
学者ながらも、堅苦しい内容ではなく、病に負けずに身体を健康にたもち、心安らかに、楽しく人生を過ごす秘訣が書かれています。

ウォーキング、食べ合わせや料理法も含む食生活、心の安定のたもちかた、人生の楽しみ方、呼吸法、導引術、 医者のかかり方、薬の飲み方等々、きめ細やかなで現代人にもなかなかに役立つ内容です。

 


 

「養生訓」の、導引について、まとめておきます。

図は、馬王堆の埋葬品から発見された、紀元前168年の頃の導引圖から。
図は、馬王堆の埋葬品から発見された、紀元前168年の頃の導引圖から。

*導引とは、東洋医学の柱の一つ、湯液(いわゆる漢方薬)、鍼灸とならぶもので、運動療法のことです。動く、擦る、揉むといった動作で、  体の代謝=気血の流れをよくする方法です。他人にしてもらうか自分でします。

実際にやってみると爽快!です。実際、今のいろんな体操にも、同じような動作が取り入れられていますね。貝原先生、現代に生きていたらテレビに引っ張りだこだった方ではないでしょうか…。江戸時代の健康体操法、是非、一度お試しください。


 

 

導引を毎日実行すれば、血行よく、消化を助け、気持ちを和らげる。

  • 朝、起きる前に、両足を伸ばし体の濁りを出す。起きて座り、頭を仰向かせて、両手を組み前方に付きだし上げる。
  • 歯を何度も噛み合わせ、左右の手をもって首筋を交互に押す。
  • 両肩を上げ、首を縮め、目をふさいで急に肩を下げる動作を三度ばかり繰り返す。
  • それから、顔を両手で何回もなでおろす。目がしらから、目じりに何回もなでる。
  • 鼻を両手の中指で六、七度なでる。
  • 耳たぶを両手で挟んで六、七度なでおろす。両手の中指を両耳に入れて、何回か耳孔をふさいだり開いたりする。
  • 両手を組んで、左へ引くときは頭を右に回し、右へ引くときは左に回す。これを三回。
  • それから、手の甲で左右の腰の上、胸のあばら骨のあたりを筋交いに10回ほどなで下ろす。
  • 両手で腰を指圧する。
  • 両手で腰の上下を何度もなで下ろす。こうすると、神経のはたらきがよくなる。
  • 両手で、臀部を軽く10回ほど打つ。
  • 腿をなで下ろす。
  • 両手を組んで、膝頭の下を抱え足を前に踏み出すようにし、左右の手を自分の方に引きつける。
  • 両足をもこのように何度も繰り返すがよい。
  • 左右の手をもって両方のふくらはぎの表裏を数回なで下ろす。
  • 片足の五指を片手でにぎり、足の心(足の裏側の土踏まずの中心)を左手で右足の方を右手で左足の方を10回ほどなでる。
  • 両足の親指を強く引きながら、ほかの指をひねる。これを毎日続けるといい。
  • 従者や、子供たちに教えて、ふくらはぎをなでさせたり、足心(足の裏側の土踏まずの中心)をこすらせるのもいい。足の指を引っ張らせるのもいい。
  • 朝晩こうすると、気分が落ち着き足の痛みも治る。長く歩いた後は、足心(足の裏側の土踏まずの中心)をもむのがよい。
現代語訳は森下ジャアナルを参照させていただきました。!感謝!

 

<参考文献> こちらも読んでみてください。

さまざまな方が解説書も出しています




江戸時代のベストセラー健康書「養生訓」を記した貝原益軒【ホリスティック養生の偉人】

kaobook

江戸時代は、日本伝統医療が最も盛んな時期でした。日本伝統医療文献も多く作られ今日の伝統医学の基礎にもなっています。一般の方にも、この本なら、聞き覚えがあるのでは?

養生訓は儒学者の貝原益軒(1630-1714)のベストセラー。

貝原益軒はうまれつき体が虚弱で、一生、病気に苦しみ、夫人も病弱であったそうです。そのため健康に留意し、医薬、食、などの養生に心がけ、経験に裏付けられた健康法を記して、83歳(数えで84歳)のときに完成したもの。

当時の、日本独特の医学、漢方、哲学のエッセンスが、平易な言葉でまとまっています。

ツイッターで、貝原流、江戸時代の養生法、健康法を紹介していきます。

貝原益軒、養生訓の導引法はこちら

 

<参考文献> こちらも読んでみてください。

さまざまな方が解説書も出しています